はじまる

適当な事を適当に書く

円城塔 『プロローグ』

途中までは、文中にあるように、育人工知能エッセイといった趣だ。

猩猩のくだりから、物語や小説と向き合うなあたっての著者の普段の思考が垣間見えるような流れが続く。

やはり私小説なのだろう。

物語としての完成は混迷を極め、作中の登場人物もまた「どうしてこんなことになっちゃたんだろう」的なことを独白しているが、それもまた、作者のある姿を投影しているようだ。「だってこんなことばかりしている生活なのだ。」

しかし、LISP やら Rubyスクリプトやら書かれても、世間一般の読者はなんのことだかわかるまい。